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2011.12.10

永遠のゼロ

通勤時間が長くなったからといって、シンドイことばかりではない。
電車のルートが、始発を使えるため、1本見送れば
座って行けるのだ。

その分、じっくりと読書に没頭できる。
寝不足で寝ている時も多いけど、、。

読書慣れしてきたので、分厚い本を探していた。

目についたのが、「永遠のゼロ」。

ちょっと昔に話題になっていた本だな。

このタイトルにある「ゼロ」は零式艦上戦闘機、零戦のことだ。


1994年、ニュージーランドのオークランド博物館で
初めて本物の零戦を観た。
(現在はここにはないみたいです。)

戦後にブーゲンビル島に残されていた神風特攻に使用予定
だったとされる故障機を回収・修復したもの(尾翼番号2-182)

オークランド博物館は入場無料だったので、貧乏ツーリングライダー
だった私は、ほぼ毎日のように、博物館へ通って零戦を眺めていた。

Zero - Auckland Museum New Zealand
http://www.aucklandmuseum.com/301/zero

その美しい曲線の機体からは、戦争の恐ろしさなど微塵も感じなかった。

1995年、茨城県の竜ヶ崎飛行場での凱旋飛行を観に行ったのが
本物を観る2度目の零戦だった。
そのお腹の底まで響く爆音に驚いた。


ニュージーランド南島にあるワナカでは、毎年多くの航空機ファンが
集うエアーショーが開催される。

1998年、ここでは、本物の隼を観た。

エンジンの調子が悪く、滑走路を何度か往復したが、
ついに飛び立つ事はなかった。

零戦のレプリカと米軍戦闘機との疑似空中戦では、撃墜された
機体が大きく傾いて、崖の向こうに墜落しドッカーンと炎上すると
いうダイナミックなショーに興奮した。

私は、戦争を知らない子供達の子供達の世代か?
父は戦争中が少年だったので、零戦や戦艦には
憧れていた世代だっただろう。


ストーリー
終戦から60年たった夏。
司法試験に落ちて悩む26歳の佐伯健太郎。
駆け出しのフリーライターの姉、慶子。

6年前に祖母が他界したとき、これまで血のつながっていると
信じていた祖父から、本当の祖父は、宮部久蔵という
神風特攻隊の一員として終戦の年に戦死した男性だと知らされる。

本当の祖父の事を知りたい。

仕事で戦後60年を記事にする事になった慶子は、
弟健太郎と本当の祖父のことを調査していく。

勇敢な零戦パイロットではなく、臆病で卑怯者。

戦争体験者で宮部久蔵を知る人物から聞く言葉は
二人に衝撃を与えた。

戦争体験者は、皆高齢者ばかりだ。
取材できる人も限られる。

戦友会などから、同じ部隊に所属していた元軍人を
訪ねて歩くうちに、本当の祖父の姿がみえてきた。

優秀なパイロットであったがために、時に臆病で
卑怯者と呼ばれることも多かった宮部久蔵。

しかし彼が執念を持っていたのは、「生きる」という
ことだった。

中国戦線から第一線で活躍した名パイロットの一人として
戦局が苦しくなってきた時期には、教官として
若い訓練兵たちを神風特攻隊員として送り出す
という辛い任務についていた。

必ず行きて帰る、ということに固執していた名パイロットの
宮部久蔵が、なぜ、神風特攻隊員として敵艦に
体当たりして戦死していったのだろうか。


母やその兄弟である子供達、そして自分達を本当に
愛してくれている祖父との祖母の関係は、
記憶の断片から、徐々に明らかになってくる真実。


亡くなった人の、人生を追いかけるストーリーに
読者もいつしか健太郎らと共に、祖父 宮部久蔵の
生き様に惹かれていく。

若い人達が次々と戦場に散っていく姿に、やるせなくなってしまう。
涙もろい人は、ハンカチ必須の泣ける本だ。


太平洋戦争の歴史をわかりやすく語っているのも
この本の良さである。

アメリカでは真珠湾攻撃で、当時戦闘にあたった兵士の
戦友会がついに解散したという。

皆、高齢者となりそのほとんどが90歳代とのことだ。

また彼らが戦争体験を語ることを学校が受け入れなくなっている
ということだ。


世界に誇る戦闘機、零戦。
多くの若者達が、自ら命を落としていった現実があった。

戦争とは、人間とは、家族とは、深く考えさせられる
分厚い、泣ける1冊だ。


「娘に会うまでは死ねない、妻との約束を守るために」。
そう言い続けた男は、なぜ自ら零戦に乗り命を落としたのか。

終戦から60年目の夏、健太郎は死んだ祖父の生涯を調べていた。
天才だが臆病者。想像と違う人物像に戸惑いつつも、一つの謎が浮かんでくる。
記憶の断片が揃う時、明らかになる真実とは。
涙を流さずにはいられない、男の絆、家族の絆。

【送料無料】永遠の0


撃墜王、坂井三郎さんの話もこの本には出てきます。
 ↓

坂井三郎(サカイサブロウ)
1916年、佐賀県に生まれる。青山学院中学部を中退し、1933年に海軍に入る。
戦艦霧島、榛名の砲手をへて、1937年に霞ヶ浦海軍航空隊操縦練習生
となり首席で卒業、戦闘機操縦者となる。
初陣の1938年以来、九六艦戦、零戦を駆って太平洋戦争の最後まで大空で活躍。
200回以上の空戦で敵機大小64機を撃墜したエース(撃墜王)。
2000年9月逝去

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レビューポータル「MONO-PORTAL」

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