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2011.12.08

スリーパーズ

1960年代、ニューヨークのスラム街。
いつも一緒に遊んでいた4人の少年が、ふとした悪ふざけから大きな傷害事件を
起こしてし、少年院に送られてしまう。

そこで彼らを待ち受けていたのは、サディスティックな看守達による
夜枚のレイプと暴力、恥辱の限りを尽くした虐待だった。

やがて成人した4人のうち、トミーとジョンがかつての看守に出会い、
射殺してしまう。
検事補になり、今事件を担当することになったマイケル、
新聞記者となったロレンツォは2人を無罪に、そして
少年院であった虐待を公にすることを誓い、、、。


本より以前に、数回映画を観ているのだけど、
最初に観た時は、これが実話ということを知らなかったので
随分と面白いストーリーだなー、と感心してしまった。

原作者、ロレンゾ・カルカテラは、作中のシェイクスと呼ばれる
最年少の少年でもある。

本を読むのが好きで、文章を書いたり、詩を作ったりするのが得意。

少年時代に、心身ともに傷つけられた少年院の1年間と
10数年後、彼の仲間たちで行った元看守への復讐劇。
その後、地元でも有名なギャングだった2人は殺されてしまう。

あの時のことを、記録しておかなければいけない。
いまそれができるのは、自分しかいない、、。

そして彼が発表した作品がこの「スリーパーズ」だ。


60年代のニューヨークという街は、どんなところだったのかは
今の私には想像もつかない。

アメリカには行った事が1度だけあるけど、サンフランシスコに
数日だけだ。

色んな人種が生活をしているけど、はっきりと棲み分けができている。
高台に住むエリートの白人。
海の近く、低地に暮らす黒人。

街の雰囲気がガラッと変わったのは、ちょっと街を歩いただけで
感じ取れた。

ニューヨークのスラム街。
通称ヘルズキッチンと呼ばれたそこは、決して治安の良い地区では
なかったが、その中での殺人、老人からの盗み、薬物中毒などは
決して許されなかった街のルールだった。

その地区で遊んでいるぶんには、子供達も実は安全に
周りから見守ってもらえる環境でもあった。

お金は無いし、親父はアル中、母はいない、激しい夫婦喧嘩、
家庭環境に恵まれている訳ではない子供達だが、
彼らは常に明るく、楽しく、仲間を大事に日々を過ごしていた。

なんとなく、当時のニューヨークのそんな街に生きていた
少年達の友情物語に引き込まれていってしまう。

しかし、ある日偶然にも起こしてしまった傷害事件で
彼らの人生が大きく変わってしまう。

少年院がこんなにも理不尽な環境なのか?

この本が発表された当時のアメリカでは、実際そんな少年院が
どこになるのか。
地方検事であんな無茶苦茶やる奴がいるのか。
本当に事実なのか。

日本の私が感じた印象は、これはアメリカの話だから
実話と言われれば、まったくそうだと信用しきってしまう。

アメリカとはやっかいな国で、
この作品はフィクションです、として発表すると、
あの人物は自分だから、売り上げの一部を寄越せ。
自分はそんなことはやっていない、事実と違うだろ。
と騒ぎ出す輩が出て来る。

逆にノンフィクションとして発表すると
あの人物こそは自分のことだ、俺にはいくらくれるんだ。
プライバシーの侵害だ!
とまた別のヤッカミが入る。


きっと全てが事実とは言えない部分もあるのだろう。
事実を元に、うまく誇張して書き上げた痛快な復讐劇といった作品かな。

事実か、作り話かは、もうどうでもいい。
原作本も、そして映画もどちらもかなりのめり込んでしまった
作品である。

生き生きとした少年達、登場人物の魅力。
残忍なまでに痛めつけられる少年院時代。
人情味溢れる、日本にも昔あちこちにあったヘルズキッチンのような
地域での生活。
子供達を見守る街の人達の愛情。

そしてダイナミックなストーリー展開。

ミステリー作品として読んでも、飽きる事無く、一気に読みすすめられる。

傑作である。


レビューポータル「MONO-PORTAL」

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