神々の山嶺
あなたは、なぜエベレストに登るのですか?
そこに、山があるから(Because it is there. )
と答えたのは、ジョージ・マロリーだ。
1924年6月、マロリーとアーヴィンは、北東稜から頂上を
目指したまま帰らぬ人となった。
二人は、果たしてエベレスト山頂に立ったのか?
山頂アタック途中で遭難死してしまったのか?
それとも、登頂に成功し下りで遭難したのか?
未だに、それは謎のままだ。
1999年、マロリーの遭難から75年。
エベレスト北東稜、標高8160m地点でその遺体が発見された。
遺体付近には、衣類、装備など貴重な遺品が確認されたが
エベレスト登頂の決定的な証拠なり得るモノはなかった。
持参していたとされるコダックのカメラもだ。
岸、岸よー。
おれは、あきらめないぞ。
おれは、死なないぞ。
もういいか、岸よー。
単独行にこだわった羽生が、事故で失ったザイルパートナー 岸。
彼は、岸の事をわすれたことはなかった。
エベレストでは、その亡霊をみた。
私は、作品を読みすすむ中、
羽生、羽生よー、
あきらめるわけがない。
おまえはあきらめない。
神が許した者しかその頂きには登れない。
羽生、羽生よー。
おまえは、きっとアタックに成功したのだろう?
なあ、羽生よー。
カメラマン深町と同様、羽生という人間そのものに興味が移っていた。
もうマロリーの謎も、コダックもカメラもどうでもよくなっていた。
夢枕獏が構想20年以上をかけて仕上げた山岳小説。
それが、神々の山嶺(かみがみのいただき)だ。
新田次郎の山岳小説を読んで、山に登るようになった
人は多いだろう。
山に登っている人なら、新田次郎作品が好きであろう。
しかし、もう新田次郎はいない。
彼の小説も、いつかは読み尽くしてしまうのだ。
残念。
日本には15席程ある人気作家の座に空きがひとつある。
山岳小説という席だ。
そこは新田次郎氏が鎮座していた。
今その座についたのが、夢枕獏だ。
なぜ、エベレストに登るのか?
そこに山があるからではない、ここに俺がいるからだ。
羽生は生きている。
ずっと山頂を狙っているに違いない。
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発見されたマロリーの遺体
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