造物主の掟 ライフメーカーのおきて
SF界の名作 星を継ぐもの のJ・P・ホーガンの長編小説。
造物主(ライフメーカー)の掟 (創元SF文庫 (663-7))
機械という道具が、オートマチック化して様々な形の
モノを生産しいるが、そこにコンピューター制御などで
機械自らが、考え判断して行動をすすめることも可能になっている。
人の手から、完全に離れても作業を続けられ、故障しても自ら
原因を究明し、修理して、再び作業を始める。
そんな、自動機械工場が、あるときプログラムのバグで変わった動きを
始めてしまい、ある部分は暴走し、ある部分は、動きを止め、
またある部分は、壊れた他の部分を修理してまわる、、、。
そんな状態のまま、百万年も人のコントロールから離れてしまったら、
作業ロボットたちが独自性をもって活動するようになってしまっていた。
よく人形には、魂が宿る、とは言われるが、ロボットではどうなのだろうか。
機械は機械のままなのだろうか。
もしかして、ちょっとした故障や制御システムのバグなどをきっかけとして
長い時間経過すると魂が宿るのだろうか。
この物語は、そんなロボットたちと人類の接触を描いた作品だ。
もし、そんなロボットがいる惑星が、地球からも行けるような距離であったら
はたして人類はどんな、接触をするのだろうか。
お互いの見た目や言語は、まったく異なり、生活できる環境(大気や重力など)
もまったく異なる。
そこでいきなり接触するなんて考えられないんだけど、、。
大昔の地球にはすでに宇宙人がきていて、それが古代文明の神として
崇められていた、という説もある。
遺跡や壁画などに描かれたものは、宇宙人であったり、宇宙船なのだ。
この作品では、人類がロボットたちにとって、神となっていく。
ロボットたちの生活は、人類でいうと古代であり、移動には、馬のような
動物を使い、農耕と狩猟で生きている。
車や電車、電話に相当するようなものは一切なかった。
空飛ぶ宇宙船をドラゴンと呼び、おそれ、パラシュートで降下してくる
宇宙服を着た人類を天使と思い込んでしまった。
宇宙資源を入手するために、一部のロボット民族に武器を与え、混乱させ
通商条約を結ぶのか、彼らの自立を見守ってやるべきなのか。
姿形は違えども、我々人類が過去に経験したような、支配や奴隷国家を
宇宙の遠い彼方で、一部の国家利益独占のため強引にすすめようとしている。
もしかして、現代のアメリカには、月やその他、宇宙計画での秘密が
たくさんあって、それを既に独占しようとしているのではないのだろうか。
その事実を、知った時、他の国、人類は何を考え、どんな行動をおこすだろうか。
SFとしての面白みよりも、そんな真面目なことを読みながら考えた本だった。
造物主(ライフメーカー)の掟 (創元SF文庫 (663-7))
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