忘れられた巨人 カズオイシグロ
息子を探しに旅に出る老夫婦。
若くてたくましい騎士、昔ドラゴンと戦った経験のある老騎士。
騎士を慕う若者。
ドラゴンによりそこは霧が深く人から記憶を奪っていく世界。
イギリスのアーサー騎士時代というのか、ファンタジーを描いた作品。
カズオイシグロは、長編を出すたびに全く新しい世界を描き出す。
ファンタジーやおとぎ話には興味がないため、読み始めはなかなかその世界に入っていけなかった。
中盤からファンタジー慣れしたのか、頭の中はすっかりドラゴンに支配されてしまったようだ。
私も記憶を抜き取られたかな?
老夫婦の旅はその後どうなったのか?
何もわからずに結末を迎えてしまう。
ストーリーには何もひねりはなく、展開を推理する楽しみもない。
柔らかい文章で美しい情景や世界観が広がるのは、カズオイシグロらしく
読者を引き込んでいく。
人は全てを記憶して生きていくのがいいのか。
忘れてしまっても、また何かを信じていけばいいのか。
あなたは、この本を読んで何を考えるだろうか。
それとも、もう忘却の彼方に、、、
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