北の国から に想う
物心ついた頃、名古屋から熊本の田舎に突然引っ越した。
今日からここがお前らの家だ。
え?
テレビもない、五右衛門風呂? ガスもなかった
子供ながら呆然とした記憶が残っている。
都会から大自然の田舎の生活に激変した。
父は器用で色んな物を作ってくれた
屋根に上がってアンテナをたてすぐにテレビを観れるようになった
白黒だけど
プロパンガスとガスコンロ、その隣には水道とシンク。
魚の木箱をばらして、鶏小屋とうさぎ小屋を作ってくれた。
就職が決まって田舎から東京へ行く日。
父からもらった茶封筒には、インクで汚れた一万円札が入っていた。
活版印刷所を営んでいた父の手はいつもインクで黒く汚れていた。
熊本は嫌いだ。良い思い出などない。友人も数えるほどしかいない。
帰省する気など毛頭ない。数年ぶりに熊本。
金を無心されてボーナスは殆ど無くなった。
父からもらったお金はあとにも先にも、あの汚れた一万円札だけだ
宝にせずどこかのパチンコ屋の両替機に吸い込まれたのが悔やまれる。
自分の子供時代と重ね合わせて観ていたドラマだった。> #北の国から
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